解ってくれると思っていた
しかしそれは私の思いあがり
いつもそばにいてくれると思っていた
しかしそれは私の自分勝手な願望
あの子はマリア様では無く人間の女の子
あの子は私の人形では無く一人の女の子
でも私はそんな簡単な事も解らなかった
あの子の不安な気持ちを解ってあげられなかった
そして私はあの子を傷つけた
自分を守る為にあの子から逃げてしまった
もうあの子が私に笑いかけてくれる事は無い
私にはあの太陽のような笑顔を向けられる資格がない
私はあの子の光のとどかないこの場所で
日のあたらぬこの場所で
けして得られぬあの笑顔をただ思い焦がれるだけ
それが私に与えられた罰なのだから
あとがき
これは瞳子ちゃんのSS「太陽の子」と対になる・・・と言うか、元になったSSです。(詩、かな?)
読んで貰えば解るとおり、パラソルをさしてで祐巳が現れるまでの祥子さまの気持ちを書いたSSなんですが、実はこれ「太陽の子」より先に出来ていたんですよ。でも流石に一番最初にアップするSSにしては暗すぎるので後から出来た太陽の子を先にアップしました。(太陽の子もあまり明るいSSじゃないけど、これよりはいいですからね。) しかし、私の中では小笠原家の人は祐巳ちゃんが絡むとかなり悪い方に悪い方に考える人達みたいですね。(笑)
皆さん知ってのとおり、この後祥子さまと祐巳ちゃんは仲直りしているので、その後の太陽がさした祥子さまの心情を書いたSSもいつか書いてみたいなぁ。
追記
ちょっと解説です。
途中で「自分を守る為に逃げてしまった」と言うところがありますが、これはレイニーブルーの最後で祥子さまが祐巳を聖さまにたくして去ってしまった時の事を、私はこう解釈しているからこの一説を入れました。
自分の好きな人が体全体で自分を拒絶したらどうなるでしょうか。その後に絶対的な拒絶の言葉が待っているとしたら、その子の声で拒絶されるとしたら、あなたはそれでもそこにいられますか?私はその場にいられませんでした。自分を守る言葉を吐いてその場から逃げてしまいました。
祥子さまもそうだったのではないでしょうか?人間はそこまで強くはなれませんからね。(個人的に気になるのですが、ため息をついた時、祥子様はどんな表情をしていたんでしょうか?挿絵の聖さまの表情を見ると、とても悲しそうな顔をしていたんじゃないかなぁなどと思ってしまうのですが。)
あの部分を読んで祥子さまに怒った人もいたようですが私、実は自分を見ているようで「ダメだよ、そこで逃げたら全て終わりだよ。」などと思ってました。普通は何とかしようと動いてくれる蓉子さまも、都合よく現れるおばあ様の友人もいないのだから、当然この後には決定的な破局が待っているのですから。