愚者

 

 

何一つ希望が無い・・・

そんな風に思って

崖っぷちに佇んで

泣いた―――

 

それでも負けたくないと思った

ただひたすら悲しかった

もう何もないと・・・

でも諦めたくはない

そう思って

ふるえて・・・

 

したのは努力じゃなくて我慢だった

 

ひたすらこらえて

それでも生きていきたい・・・

 

そんな時に起こったのが

“偶然”

そこに至ろうとしたこともなく

ふるえながら・・・泣きながら

私は掴んだ!

偶然という幸せを―――

 

そんな時に気付いたのは

今までの自分の愚かさだった

 

でもその愚かさに気付けて良かった

そう思うけど

自分のことを愚かだと認めるのも辛かった

 

ふと気付けば

愚かという字と偶然の「偶」という字は似ている。

 

しばし自分が深みにはまって己が愚者だと解り

だからこそ本当の人生の歩き方を

覚えたような気がした。