純愛

 

レミに初めて会った時

俺の心は震撼した

そんな気持ちは初めてだった

レミの肌は雪のように白く

目も鼻も口も

見事にバランス良く配置され

美しく愛らしく

非の打ち所がなかった

ただレミは俺の彼女でもなく

行きつけのスナックで働く

商売女

それでもどうしても

俺はレミが欲しい

レミを自分だけのものにしたいと・・・

思いがつのり

まるで妄想するように

レミのことを恋した

スナックへ行けばいつでもレミに会える

でもレミのことを俺の様に惚れているのは

スナックにいる客の全てだ

レミの話は快活で

ケラケラとよく笑った

笑った顔はテレビに出るアイドルより可愛かった

『どうしてもレミを自分だけのものしたい』

俺は思いきった

「俺と一緒に夜景が綺麗なレストランへ行かないか?」

そう言ったらレミは

極上の笑顔を浮かべて

「行ってみたいわ」

と言ったものだから俺も有頂天になった

「今から行く?」

「行く行く」

レミを車に乗せて

夜の街のドライブ

それが最初のデートで

それ以来毎週一回レミとデートした

俺は舞い上がりとうとうレミに

プロポーズの言葉を言ったら

レミは俺が今まで見たことのなかった

無表情な顔で

「つけあがるんじゃないよ!

あんたみたいにどこにでも転がっているような

石ころのような男は

転がして遊ぶだけのことさ」

そうレミが言ったと同時に

俺はレミを殴った

殴って殴って殴って

それでも怒りは収まらなかった

そしてレミを強姦した

あざだらけの顔をしていて

強姦されてもなお

レミは薄笑いを浮かべていた

そうだ、俺が恋していていて夢中になっていたレミは

売女だったのだ

俺はレミの首を力づくで絞めて殺した

それでも俺の気持ちはおさまらなかった

レミの死体を家の風呂場に引きずり込んで

跡形もないくらいに

バラバラにした・・・・・

それでも俺は自首した

その話がマスコミに報道されて

「とっても綺麗で明るく気立てが良くていい子だったのに・・・」

そのコメントを聞いて俺は

レミの見えざる本性を知っていたのは俺だけだと思いたかった