騎士道

ロックバンドで言えば一番目立つヴォーカルのように

目鼻立ちが整って

さらにスタイルのいいような

カッコよさに憧れて

それでもそんな人は私なんかを相手にはしない

 

ロックバンドで言えば自己主張の激しいギターのように

少し癖があって

少々脚が短くても

ギターを持つ位置を計算して

自分をカッコ良く見せる事を知っている

そのオリジナリティーに憧れて

それでもギターはヴォーカルよりは劣る男と決めつけて

 

ロックバンドで言えば一番力強いプレイを持ったドラムのように

力強くてマッチョで

スタイルがどうであろうがドラムはずっと座ってる

顔も見せず目立たないけど存在感があって

その男らしさに憧れて

それでもドラムを叩く男は繊細とは言えないと決めつけて

 

そのようなカッコよさを求めてるうちに

私はベーシストの事を忘れてた

目鼻立ちが整っていなくても

独特の癖が目立ってなくても

力強くてマッチョじゃなくても

いつも地道に正確にリズムを刻んで

それがなくてはロックバンドが成立しないような

ベースを弾く男

そのようにベースは地味で目立たないけど

騎士道を歩み

実はロックバンドの中心人物はベース

それに若い頃は気付けない

 

見た目の派手さに惹かれ

個性に憧れ

力強さに憧れ・・・

 

そして私自身の性格を分析してみたら

自分に一番しっくりと合うのは

メトロノームのように正確にリズムを刻み

常に安定感を保つ事の出来る

真の強さを持つベーシストのような男性・・・

 

ロックバンドで言えば

一番目立たないけど常に他のメンバーの事を考え

思いやってプレイをしている

 

そんな人・・・

私の眼には入らなかったけど・・・