苦悩

 

幸せになりたい・・・

そう思って生きてきた

それなのにいつも幸せと言う奴は

私にそっぽを向いた

 

・・・私は幸せを願わなくなった・・・

 

あくせくしていたって

ダラダラしてたって

時は過ぎゆく

 

・・・私はくだらない人生を生きている・・・

 

そんな恐怖に襲われ

 

でも本当はずっと

幸せを願っていた・・・

 

こんなに私は辛いのに

他の人はみんなそれなりに幸せそう・・・

人をねたんでひがんで

自分が情けなくなる

 

私は・・・

“幸せにならねばならない”

と誓った

 

・・・でも本当に私なんかに

幸せがやって来るの?・・・

・・・とまた不安が・・・

 

でもそんな私でも

生きることには貪欲で

たとえ天国というものがあったとしても

やはり今生きているこの世に

執着はある

 

ある日天の御使いの声が聞こえた気がした

 

「あなたの晩年は

輝かしいほどの幸運に満ち満ちています」

 


そんな・・・晩年なんて

年寄りになってから幸せになったって

何の楽しみもないのでは?

 

でも人には色々な人生のパターンがあり

若く美しい女性が

自分の美貌を武器にして

たくさんの取り巻きに囲まれて

・・・いい気分・・・

 

それでもその人も年老いて

美貌と言う武器が無くなった時に

自分の人生が空虚になり

その晩年は実に悲惨だという場合もある

 

私には美貌も色香もなく

取り巻きどころか

私に求愛する人も一人もいない人生だ

 

私の人生には

苦悩が与えられていた

 

苦悩から逃れるために

血眼になって努力して来た

 

・・・しかしそれが豊かな晩年を潤すものだとしたら・・・