腐った人形

 

 

綺麗な物しか見たくないと

いつしか私は心を閉ざした

汚い事には避けて通りたいと

私は目を閉ざした

 

人は言う

「あなたはいつも心は少女の様ね」

そう言われて

その深い意味を考えずに喜び

次第に・・・

「乙女」にさえもなっていない

自分の精神年齢に気付いた

 

そんな時間がだらだらと続き

いい加減やめたくなった

少女のままでいることを

それでもそのままだらだらとした時間を過ごし

 

冷静に鏡を見た時

私は・・・

・・・オバサン・・・

と呼ばれるような歳ではないことに気付いた

 

途方もなく夢を見て転げて

やっと「現実」というものを意識しだして

鏡を見た時

『私はオバサンなんかじゃない』

そう思うことはおろか

私の顔は刻々と老婆に近づいている・・・

という事実を知り・・・

 

『それでも私は夢を見よう』

 

と思ったのだ

 

かさつく唇から歌う歌はなく

少女時代から伸ばしているだら長い栗色の髪を

切る事が物凄く怖くて

 

・・・でも夢を見ているしかない・・・

そんな私を憐れまないでください

・・・私を見て笑ってくださってもいいけど・・・

ただただ・・・私を憐れまないでください

と・・・

涙を流さず泣くのだった