奈落の途中

 

 

闘病のさなかで

何もできなくて

今は

テレビを見ることしかできない

 

そんな自分の境遇を呪います

 

悲しいなんて通り越して

流した涙は

土中の花の種さえ腐らせるほどの量です

 

でも

そんな悲しみの中でも

まだ

道に迷っていたいような気持ちです

 

今日も私はテレビを見ている

ハッピーエンドでも

そうでなくとも

終わりがある物語を

模倣してくれるテレビの世界は

今の私のからっぽな現状を忘れさせてくれます

 

でもいつか・・・

私はテレビだけの世界から抜け出たい

 

絶望という名のドアを開けて

見失ったものを取り戻して

新しい何かを

探し出す勇気を持って

 

終わりがない自分だけのストーリーを作りたいのです