お母さんへ。言わないけれど心の手紙

 

 

私がもの心ついた時は

私は家族にとても愛されていた

父の兄弟姉妹7人と

おじいちゃんとおばあちゃんに

可愛がられて育った

 

その反面

実際私は肝心の父と母に可愛がられた

記憶はなぜかなかったのだ

 

家族のだんらんの中で

楽しい雰囲気

だのにお母さんだけは悲しかった

 

私がもの心ついた頃

父は死の宣告を受けて入院していた

そのような母は11人分の家事を

一人でしていた

 

それは不幸な境遇であったシンデレラより

さらにひどい境遇

人に自分の気持ちをうまく伝えられない母は

父の親族にこき使われていた

 

寡黙に文句ひとつ言わずにただただこき使われた

 

そんな母のストレスのはけ口は

ヒステリーという表現されるように

家族がいない家の外へ私を連れて出して私を叱ることだった

 

それは凄い怨念がこもっていた

叱られている私もヒステリーを起こすほど

母の癇癪は凄かった

 

 

まだ幼かった私は

それが当たり前のこととして

ただ泣き叫ぶことしかなかった

それが母と私の関係

 

母は私を厳しく叱ることしか

溜めこんだストレスが発散できなかったのだ

 

やがて父が亡くなった

それからというもの

母のヒステリーはさらに増した

 

「ちょっとこや〜!!!」

と母はヒステリーを起して

引きずるように私の手首を引っ張った

キリキリキリ・・・

とした母の顔

不動明王よりも怖い

母が私の手首を引っ張った時にくいこんだ

母の爪のあとが

今でも私の手首に傷跡として残っている

 

幸せとは何なのだろう

結婚すること

家族を持つこと

 

確かに母は結婚できたし

家族もたくさんいた

 

既定の概念・・・

 

結婚は幸せ

家族がいるのが幸せ

 

おとぎ話は

めでたしめでたし

で終わる

 

しかしその先は・・・

 

父は性格もよく

ルックスも芸能人みたいに素敵だった

お見合いをして

幸せに結婚をした母

 

おとぎ話はみんなそこで終わる

 

結婚はゴールではない

そこから始まる色々な嫌なこともある

 

ただお母さん

自分が辛かったこともわかる

感情をぶつけられる相手が

私しかいなかったのもわかる

 

でも私が狂うほどに

そうしてほしくはなかった

 

今母は老人となり毎日一人孤独に

テレビを見てる

今が今までの人生の中で一番幸せだ

と母は言うのであった

 

地獄のような人生を送り

テレビという

おとぎの箱に夢中になる母

私も母は今が幸せなんだと割り切って

 

一つ家に住んで

会話をしない

私と母の暮らし

 

それでいいんだ

って割り切って

 

私は自分を責めぬよう

母のヒステリーから自分を守るため

母と接することを避け

こうしてパソコンのキーを打ってます