信仰

 

私は思っていた

自分さえ救えない人間は

人を救うことができないと・・・

そう思いこみ

私はいつしか自分しか可愛がらない

愚かな者になっていたことを知った

自分の心の羅針盤は

常に自分という方向を指していた

それは常に変わることなく来た

常に常にであった

そんな時を重ねて

とうとう自分にしか向かない羅針盤が

狂う時が来た

それは自分からしたら災いであったが

実は幸いであった

しかし定まらない羅針盤を持つ船は

目的地に着かない

そう

私という船は

常に自分というに港から出て

自分という港に着く

その航海は

実につまらないことだと知った

目を見開いて見よ

そう言えば私は

確実性を求め

冒険などはせずに生きてきた

目を見開いて見よ

全てを

私の考えは逆転した

人を救うことができない人間は

自分自身を救えない

それを教えてくれたのは

チャペルにて

初めて会った婦人の

善意に満ち満ちた笑顔と

穏やかで優しい私を助ける声だった