タイムトラベル

 

 

私は聖書の中に亮の写真をはさんでいる

自称詩人の亮が

ダビデのような詩人になれますようにって

思って

聖書の中の「詩篇」

と呼ばれる個所に

亮の写真をはさんでいる

 

彼が芸術家として成功できますように

って

「詩篇」

にはさんでいる亮の写真は

彼が芸術をしているところを

私が盗撮したものである

それは普段亮が道化師として

冗談とか言っている顔と違って

何か鬼気迫っていて

とてもいい表情をしている・・・

私はこの写真が好きだ

 

聖書の中の「詩篇」の箇所に

亮の写真をはさんで

時間はどのくらい経ったのだろう?

短く見積もっても

1年は経っている

 

最近

その聖書にはさんだ亮の写真が

まるでイスラエル人のように見えてくる

 

浅黒い肌に少し縮れた黒髪で

質素な服を着た亮の写真・・・

 

 

『きっとこの人はイエス様の弟子なんだ』

というような

妄想が出てきそうに

 

亮が芸術をしているときの写真は

聖書に溶け合っている

 

亮に出会わなかったら

私は絶対クリスチャンにはならなかった

 

かといって亮が熱心なクリスチャンってわけでない

 

私は亮が書きためた

詩や文章を全部貰った

 

その文章がなぜだか

キリスト教の思想にとても似ていると

聖書を学ぶうちに気付いた

 

そんなことを思って

「詩篇」

にはさんである亮の写真を見ると

 

何か本当に

亮が神からの使者であるがごとく

思えてくる

 

亮は本当は2000年前のイスラエル人で

タイムスリップして

ほんの少しだけ現代にいたのだ

 

そんな気がしてきた

 

 

そんな変なことを思っても入院しなくてもいいのは

 

近代の科学の結晶である

新薬

ジプレキサ

を服用しているからだな

 

と最近気づいた

 

アインシュタインがこう言ったという

 

「宗教のない科学も

科学のない宗教も

ありえない」

 

・・・してやはり私は

神様にも

現代科学にも助けられて

きっと今日があるのだろうと

 

それにしても

私は

どうしても亮のことは忘れられない

 

本当に

強烈な

強烈な

奴だった

 

そして冷静になったとき思うのだが

そういう奴が

私が生きているこの時代にいるんだ・・・

 

ストーカーにでもならないと

もう会えなくなってしまった亮のことを

今はそうとらえている