通り雨

 

天気予報も見ずに学校へ行きました

帰りにパラパラパラと雨が・・・

それがだんだん強い雨になりまして

困っていたところ

私を傘に入れて下さった方がいました

ふと見ればその人は

とても素敵な男性でした

私は頬をあからめつつ言いました

「ありがとうございます」

男性は微笑みました

雨脚が弱くなりましたが

パラパラとした雨が続きました

「じゃあ僕は走って帰りますから」

素敵な男性は

私のもとから走って消えました

通り雨・・・

たった7分間のこと

それでも私はその間恋をしていました

家へ帰ってよくよく傘を見ましたら

それは高級ブランドの傘・・・

『返さないと・・・』

と思いましたし

傘を返すことができれば

またあの素敵な男性に会える・・・

と思い巡らし

それでもあの男性は

どこの誰とも知ることもできず

私のわずか7分間の恋でした

思い出の品は

高級ブランドの傘でした