辛い気持ちが思い出になる日まで


過去を思い返せば、子供の頃は自分がやがて大人になるなんて思いもよらなかった。20歳になった時はあと10年たったら自分が30歳になるなんて考えもしなかった。そして30歳になってもあと10年たったら自分が40歳になるなんて、やはり考えなかった。
 しかし40歳になったら、あとはだんだん自分が老いさらばえていくのだって・・・自分よりも40歳以上年上のヨボヨボと歩く老人を見る度、自分の未来と重ねて見るようになったのだ。
 私は17歳で精神を病んだ。でも17歳になるまでは貧しくはあったが、人並みに生きてこれた。健康だったし、学校の成績もまあまあで落ちこぼれではなかったし。
 17歳で病気になり、30歳まで病院を入退院した。合計8回精神病院に入院した。入院するとだいたい半年は病院に監禁されていた。長くて1年入院した。それは辛い体験だった。
 が、それもそろそろ忘れかけていられるほど、今は安定している。もう12年間入院していない。そろそろ私には第二の人生というものが訪れているように思う。激しい狂気から私は脱することができたのでは?と思う。
今私は42歳。40代になってしまったか・・・と思うと、とても悲しい。でも年を重ねて経験をつんで、また努力もして、私は薬さえきちんと飲んでさえいれば、一般人と変らない普通の生活ができるようになった。たまに軽い“季節性鬱”という症状があるものの、躁状態にはなってない。
精神病院へ入院していたことが嘘のように、今は元気だ。そう。これから先の人生は穏やかで幸せな人生が続くといいな・・・と思う。運命の女神はそう残酷ではないのでは?と思うよ。
そしてこうやって自分の文章がネットによって色々な人に見てもらえることも私にとってはうれしい事だ。生きがいができたのだ。インターネットというとテレビのニュースなどで悪い印象しか持ってなかった。まさか自分がホームページを作るなんて、パソコンを買っても思ってもいなかった。
私は30歳のころ40歳くらいになったら、自分の経験を本にしたいという、漠然とした思いを持っていた。でも実際、自費出版となればたくさんのお金がいる・・・と、どうしたものか・・・と思い悩んでいた。
41歳になったとき、ネットという手段を思いついたのだ。自費出版のようにお金がかからないし、たくさんの人に読んでもらえるだろうと・・・その頃から私は心が明るくなった。30歳の頃に漠然と思っていた夢が叶ったのだ。未来に希望が持てるようになった。
そして辛い気持ちがすべて思い出になる日まで、私は強く、また楽しく生きて行きたいと思う。