絶望の淵からはい上がって

 

 

私は絶望の淵からはい上がって地上に出た

喜んだのも束の間

 

そこには

何もなかった

花が咲いていないどころか

雑草さえ生えていなかった

 

私が絶望からはい上がった地上

私がたどり着いた地上

 

・・・そこで私は一人ぼっちだった・・・

 

しかしそこでは

さんさんと太陽の光が私を照らし

それは絶望の淵とは明らかに違った

 

ああ、ここは荒れ果てているが

エデンの園に違いない

誰もが忘れているが

きっとここはエデンの園なのだ

 

でも

エデンの園には

私以外に誰もいやしない

 

私に与えられた現実は

不毛地帯と化した

エデンの園にたった一人で住むこと

 

話し相手は

誰もいなかった

 

しかしどんなときでも

神様だけは私をお見捨てにならない

私はお祈りしながら神様と対話した

 

・・・それだけが心の支えだった・・・

 

神の声が聞こえた

 

「考えすぎず朗らかにいなさい。」

 

 どんな環境にいたって

考えすぎたり

苦悩したりするよりは

朗らかな気持ちでいたほうがいい

 

孤独の中で

どうやって生きていこう・・・

と思うより

解らないことは解らないままでいいと

開き直った心で

未来は明るいと思って待つ

 

 

いつかきっとここにアダムがたどり着く