4人将棋対局例1

棋譜
1 ↑6七歩(68)  2 →7六歩(86)  3 ↓6三歩(62)  4 ←3四歩(24)
5 ↑4七歩(48)  6 →8七金(96)  7 ↓4三歩(42)  8 ←2三金(14)
9 ↑7八銀(79) 10 →同金(87)
Aが7八に当てた銀をBが同金と取ったところです。ここから本格的な開戦です。
この瞬間はAが銀損ですので、Bの相棒のDがAにちょっかいを出すとAが忙しくなります。

棋譜の続き
        11 ↓1二飛(52) 12 ←2八銀(17)
13 ↑7八飛(58) 14 →8九銀打 15 ↓3二銀(31) 16 ←3九銀(28)
案の定、DはAに対し銀をぶつけてきました。この時点では銀得の上、Bの銀がAの飛車に当たっています。Aは銀を取るか、飛車を逃げるかを選択しなければなりません。
銀を取れば銀損を取り戻せますが、Bに飛車を取られてしまいます。飛車を逃げると、次のDの番で金をそれも王手で取られてしまいます。
BとDの息の合った攻撃でAがピンチです。Cの攻撃は間に合うでしょうか?
ただ、1周前のBの8九銀打は悪手で同じ銀打でも8七銀打の方が7六の歩を取られない分優っていました。

棋譜の続き
17 ↑7六飛(78) 18 →8六飛(85) 19 ↓2三銀(32) 20 ←同 飛(25)
21 ↑7七飛(76) 22 →8八銀(97) 23 ↓3二金打 24 ←4九銀(39)
25 ↑同 玉(59) 26 →7七銀(88) 27 ↓2三金(32)
前譜ではBDペアが優勢でしたが、Dが勝ちを焦りすぎて逆にCに2三金と飛車を取られて詰めろを食らってピンチです。ここで、←2八銀のような待ちの手はA↑9六歩とBを王手でとばされて、C↓1三飛、D2五玉、A2四金までで詰んでしまいます。
この様に4人将棋では本将棋に比べ、詰めろになりやすくすぐに終盤戦の手数争いの醍醐味が味わえます。
ここでDの指し手は、とりあえずC↓1三飛以下の詰めろを防ぐ必要が有りますが、2五玉と早逃げする手や、3六歩や2七金と逃げ道を作る手、1四金と守りを固める手が有ります。果たして正解はどれか?

棋譜の続き
28 ←2五玉(15)
29 ↑4六金打 30 →1九飛打 31 ↑3九歩打 32 →6七銀(77)
ここで悪手が連続出現です。
まず、D←2五玉は、3六にBの8六飛がきいているため早逃げになっていません。A2四金、D同銀、A9六歩、B同玉、C1四金で詰んでいます。この手順では、右隣に王手をかけるとまた自分の手番が回ってくることを利用したA2四金の捨駒がうまい手です。
また、4人将棋では横から攻められるため、銀は本将棋より守りの役に立ちません。
しかし今回AはBの飛車がきいていることに気がつかず、4六金と2重の逃げ道封鎖をしてしまいました。4人将棋ではぺアの人の駒であっても他人の駒の利きには王様は入れませんが、往々にしてそのことを忘れてしまいます。
そしてBの→1九飛がDの玉の逃げ道を狭くした上、1六金に逆の意味での紐をつけた裏切りのような悪手です。つまり、何かの機会にCに1六飛と堂々と金を取られてしまう可能性があるからです。更に、ここで飛車を使ってしまったために、今後Dを王手でとばす手がなくなってしまっています。
ここでは、5二飛と王手してCを飛ばすのが最善でしょう。というのも、このままではC2四飛、D同銀,A9六銀、B同玉、C1四銀とDを詰ます手段があるからです。よって、B5二飛、C同玉、D1四金と守りを固めるの劣性ながらも最善だと思います。そしてA3六銀には同歩ととらないでD15玉と逃げて一応の即詰みはありません。

棋譜続き
33 ↓1三飛(12) 34 ←1五金打 35 ↑1四銀打 36 ←同 金(15)
37 ↑5九金(69)
まで、ACチームの勝ち
実践ではCからの即詰めは逃しましたが、BDからの速い攻めがないことを見越してじわじわと攻めていきACチームの勝利になりました。投了2手前のA1四銀がCに1四金を可能とさせた好手で、後はBがCをとばせないことでBの投了やむなしです。
4人将棋のダブルスでは、今回のようにDの王様が詰んでいるのに投了するのはBということもありえます。まあ、実践ではBが投げるということはなく、DがBの番でも投了を宣言したりするでしょうけど。

棋譜再掲

 1 ↑6七歩(68)  2 →7六歩(86)  3 ↓6三歩(62)  4 ←3四歩(24)
 5 ↑4七歩(48)  6 →8七金(96)  7 ↓4三歩(42)  8 ←2三金(14)
 9 ↑7八銀(79) 10 →同 金(87)  11 ↓1二飛(52) 12 ←2八銀(17)
13 ↑7八飛(58) 14 →8九銀打   15 ↓3二銀(31) 16 ←3九銀(28)
17 ↑7六飛(78) 18 →8六飛(85) 19 ↓2三銀(32) 20 ←同 飛(25)
21 ↑7七飛(76) 22 →8八銀(97) 23 ↓3二金打   24 ←4九銀(39)
25 ↑同 玉(59)  26 →7七銀(88) 27 ↓2三金(32) 28 ←2五玉(15)
29 ↑4六金打   30 →1九飛打   31 ↑3九歩打   32 →6七銀(77)
33 ↓1三飛(12) 34 ←1五金打   35 ↑1四銀打   36 ←同 金(15)
37 ↑5九金(69)
まで、ACチームの勝ち

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