「はぁ、でもやっぱりお姉さまと二人っきりの夜と言うのも経験したかったなぁ・・・。」
これはこれでいいと思いながらもついつい聖さまを恨めしそうに見てしまう、私って欲張りなのかな?
「ヤッホー!祐巳ちゃん、元気してた?」
「ぎゃう。聖さま!ノックもなしに入って来て、いきなりなにをするんですか!」
「祐巳ちゃんの抱きごこちを確かめてる。」
そんな満面の笑みで答えられたら怒れないじゃないですか!まったく・・・。それにここは薔薇の館ですよ。制服着てないと来辛いとか前に言っていませんでしたっけ?
「祐巳ちゃん、祐巳ちゃん!今度の連休、暇?どっか遊びに行かない?」
ああ、そう言えば今度の月曜日は祝日で週末は連休になるんだっけ?
「えっ、連休ですか?えっと・・・。」
「ごきげんよう。聖さま、生憎祐巳には用事がありましてよ。」
え?お姉さま、何かありましたっけ?山百合会の用事はないはずだし・・・
「祐巳は今度の連休、私の家に泊まりに来ることになってますの。」
「えぇっ〜〜!」
えっ?えっ?おおおおお、お姉さまの家にお泊りぃ?どどどどど、どう言う事ぉ〜?
「祐巳、はしたない声出さないの。」
そう言って”めっ”っと目でたしなめるお姉さま。そんな事言われましても・・・ねぇ。
「祐巳ちゃんは覚えがないみたいだけど?」
「それはそうです。今日の帰りに言うつもりだったのですから。」
つまりはこう言う事らしい。
今度の連休は用事でお姉さまの御両親、御爺様共に用事でお出かけとの事。そこで一人では寂しいからと私を誘うつもりだったところ、聖さまが先に私を誘ってしまったので慌ててみんなの前で発表と言うことになったみたい。でもできたらそう言う事は二人っきりの時話して欲しかったなぁ。だって・・・。
「そういう事なら私もおじゃまさせてもらおうかな。」
やっぱり。この流れからすると当然こうなるよね。対するお姉さまはと言うと・・・あ、頭抱えてる。やっぱりお姉さまも二人っきりの方がうれしかったのね、などと考えてしまう私はちょっとうぬぼれ屋?
「なら私も行ってみたい!前に祐巳さんから聞いて祥子さまの豪邸、一度見たかったのよね。」
「こら、由乃。そんな事言ったら迷惑でしょ。」
「だって令ちゃ・・・お姉さま、見てみたいじゃないですか、やっぱり。」
由乃さん達も参戦。まぁ当然かな。前のお泊りの時の話をしたらものすごく羨ましがってたし。
「わたしも見てみたい・・・」(ぽつり)
あ、乃梨子ちゃんも乗っかってきた。これはどうも二人っきりのお泊りと言うのは望めなさそう・・・。
「ふぅ。仕方ありませんね。今度の三連休は私の家で山百合会の合宿をする事にしましょう。」
「やったぁ!」(×2)
やっぱりこうなるか。でもあの由乃さんや乃梨子ちゃんの笑顔を見るとこれはこれでいいかな、なんて思ってしまう私。
「令と志摩子もそれでいい?」
「私は由乃がよければそれでいいよ。(本当は由乃と二人っきりで過ごすつもりだったんだけどなぁ・・・)」
「はい。でもよろしいのですか?」
「この流れでは仕方ないでしょう。」
事の始まりが自分のお姉さまだけに、すまなそうに聞く志摩子さん。それに苦笑しながらも、そう返事している所をみるとお姉さまも私と同じ考えみたい。
「それじゃあ、土曜日の授業が終わったら各自家に帰って準備。PM3時にM駅の南改札口前集合でいいわね?」
「は〜い!」
こうして私たち山百合会の合宿と言う名目のお泊り会が行われる事になったのです。
あとがき(H16/1月23日)
リリアンって私立だけど、土曜日は休みなんだろうか?勝手に授業があることにちゃったけど・・・。(苦笑)
う〜ん、いきなり連載を始めてしまった。
私には話をまとめる文才は無いんだけどなぁ。
おまけに5話くらいにするつもりがなんか長くなりそうだし。
たった3日間の話なのになぜこんな事になったのだろうか?(苦笑)
ダラダラと長い日常の話になってしまいますが、お付き合いいただけると幸いです。