うう、こんな料理食べたらもう近くのレストランに行けないよぉ〜。
「でも幸せぇ〜。」
それにしても食事風景って人それぞれ。
お姉さまは私のとなりの席で優雅に、上品にフォークとナイフを使いこなしてる。各言う私はと言うと・・・。
「どうやったらあんなに簡単にロブスターの殻を外せるのだろう?」(ばそ)
と言った具合。お肉やお魚は特に問題ないのだけれども、普段食べる事のないロブスターみたいなものはどうしても手間取ってしまう。
「祐巳、それはこうするのよ。」
「へっ、あっ、はい。」
「祐巳、返事をする時は落ち着いて受け答えをしなさい。」
「はい。」
ああ、また叱られてしまった。でもおもわずほほが緩んでしまう私はマゾの変態さん。(笑)
「祐巳ちゃん、叱られるのがそんなにうれしいのかい?顔がにやけてるよ。」
「うっ。」(赤面)
しっかり聖さまには見られてるし。
ところで他のみんなはどうなんだろう?
「令ちゃん、これ作れない?私、この味気に入っちゃった。」
「えっと、どれ?・・・う〜ん、どうだろう。」
「令ちゃんなら大丈夫よ。」
「でもかなり複雑な味だしなぁ、レシピ聞いてもこの味は出ないかもしれない。」
「がんばればできるって。」
そんな無責任な応援をしながら、おいしそうに料理を頬張る由乃さん。そして真剣な目つきになってスプーンでソースをすくっては一口なめて考え込む令さま。あの感じだと大好きな由乃さんの為に、この味をマスターしちゃいそうだね。(笑)令さまの料理やお菓子があれだけおいしいのは、由乃さんがいつもああやって注文するからなのかもしれないなぁ。あんな風に大好きな人に迫られたら、絶対作ってやろうとがんばっちゃうもんね。
「お、お姉さま、この料理にはどのフォークとナイフを使ったらいいのですか?」
「えっ?あ、それはね・・・。」
乃梨子ちゃんはテーブルマナーに悪戦苦闘中、それを優しく教えてあげている志摩子さんも、なんだかフォークとナイフに手間取ってるみたい。志摩子さんは普段和食だから、やぱりナイフとフォークでは食べにくいのかなぁ?
「相変わらず祥子の家のシェフは腕がいいわね。」
「そうそう、このフォアグラのソテーなんて絶品。ああ、ここがレストランなら山辺さん連れて食事に来るんだけどなぁ。」
「おやっ、江利子さん。早速おノロケですかな?」
「やくな、やくな。」(笑)
蓉子さま達は、優雅に食事を楽しんでる。聖さまだけは会話が優雅さにかけてるけど。
このお三方、ほんと何でもできるなぁ。テーブルマナーやフォーク、ナイフを使うのは普段からやってないとどこかしらギクシャクするものなのに難無くこなしてしまう。この方達の普段の生活ってどんなものなんだろうか?
さて、楽しい食事の後はフリータイム。前回のお泊りの同様、聖さまが柏木さんと勝負しようとトランプを取り出すと・・・。
「僕はこの辺でお暇するよ。」
「あら優さん、今日は泊まって行くのではなかったの?」
「流石に女性だけの合宿に僕一人が泊まる訳にも行かないからね。」
と言って柏木さんは帰ってしまった。
「何しに来たんだあいつは。」
「ほんとですよね。」
なぜだろう?妙な胸騒ぎが。それに帰り際の柏木さんのあの笑顔。なんだか引っかかるなぁ・・・。
「まぁいいや、祐巳ちゃん。トランプやろ、トランプ。」
「面白そうね。令ちゃん、私たちも入ろ。」
由乃さん達も加わって、結局夜までこのトランプ大会は続いたのでした。
えっ?結果?・・・どうせ私はすぐに顔に出ますよ・・・。
あとがき(2月8日更新)
やっと1日目終了・・・と思いきや、まだ1日目は続いたりする。
ほんと、話が進まないなぁ、この連載。(苦笑)
ところで皆さんはテーブルマナー、知ってますか?私はまったくと言っていいほど知りません。
フォークとナイフは並べられている外側から使うんだったっけ?なんて書きながら考えてました。
因みに祐巳ちゃんが苦戦したロブスターは、実際に私が苦労させられたものです。
コツを知ってる人は簡単に殻を剥いてしまうけど、私は今でも手間取ってしまいます。
やり方は知ってるんだけどなぁ・・・。