「時間も遅いし、そろそろ解散して寝ましょう。」
「あら、もうこんな時間?そうね、流石にもう寝ないとお肌に悪いわ。」
蓉子さまの提案におどけて賛同する江利子さま。その提案を受けて時計を見てみると・・・えっ、もう12時過ぎ?確かにもう寝なくてはいけない時間だね。
お休みの挨拶をして、それぞれが自分達の部屋へ。私もお姉さまと一緒に部屋に向かいます。
「あ、お風呂は私の部屋のを使ってくれればいいから。」
「はい、お姉さま。」
そんな事を話しながら歩いていると、お姉さまの部屋に到着。早速招き入れてもらったのですが、そこには・・・。
「だっ、ダブルベットぉ〜!?」
「祐巳、大きな声を出さないの。はしたない。」
「だって・・・。」
「だってじゃ無いの。それにあたりまえではなくて?いくらなんでも、私の部屋にセミダブルは二つ入らないわ。」
そう言いながらくすくす笑うお姉さま。で、でも・・・。
「大丈夫よ。普通のダブルより少し大きめだし、二人で寝ても窮屈さは無いと思うわ。」
いや、そういうことでは無くて・・・。お、お姉さまと一緒のベット・・・。(テレテレ)
「荷物はそこにおいてあるから。あと、お風呂はどうするの?先に入る?」
「え、あ、はい。」
「どうしたの?流石に二人同時には入れないから、順番を決めなければいけないでしょ?」
それはそうですけど、お姉さまを差し置いて私が先に入っていいものだろうか?
「祐巳、なれない家で疲れたでしょうから、先に入っていいわよ。」
「はい、ではお言葉に甘えて。」
ここまで言われては遠慮するのは返って失礼だし、先にお風呂をいただく事に。前にお姉さまのバスルームをお借りした時も思ったけど、お姉さまが使っているシャンプーやボディーソープって、ほんといい香り。ちゃんと専用のボトルに移してあるからメーカーはわからないけど、やっぱり高級な物を使っているんだろうなぁ。
そんなシャンプーやボディーソープの香りに包まれて上機嫌でちょっと長めのお風呂。お姉さまを待たせてしまったかな。
「お姉さま、先にお風呂いただきました。」
「あら祐巳、あがったの。」
「はい。あのぉ〜、お姉さまのシャンプーとボディーソープ、少し使わせていただきました。」
私のほうを見たまま少し考え事をしているお姉さま。ああ、そんなお顔も美しい。じゃ無かった、もしかしたらものすごく高いシャンプーで使ってはいけないものだったとか?
「あのぉ、お姉さま、いけなかったのでしょうか?」
「いえ、いいのよ。それでは私も入らせてもらうわ。」
どうやら良かったみたい。ほっとしている私と入れ替わりでお姉さまがバスルームに消えた後、私は鏡台をお借りして、ドライヤーで髪を乾かしたり化粧水をパタパタしたり。
しばらくしてお姉さまもお風呂から上がり、少しの間お話をした後いよいよ寝る事になったのですが・・・
「えへへ、なんか照れますね。」(テレテレ)
「あら、祐巳。そんな事を言うと、かえって意識してしまうものではなくて?」
そう言いながらくすくす笑うお姉さま。でも、お姉さまと同じベットで眠るなんて思ってもいなかったから、緊張してしまうのは仕方ないと思うのだけど・・・。
「祐巳、今日は来てくれてありがとう。うれしかったわ。」
「(わっ、わぁ〜。)」
お、お姉さまに抱き寄せられてしまった。う〜、恥ずかしいよぉ。でも、お姉さまっていい匂い。
「わ、私も!お姉さまの家に来れてうれしかったです。」
「ありがとう。」
お姉さまの香りに包まれて、すぅ〜っと眠りに落ちていった私。でも、もう少しの間起きていてお姉さまのぬくもりを感じていればよかったなぁ。
あとがき(H16/2月21日)
やっと1日目、終了です。ホント長いなぁ。
ダブルベットと聞いて18禁ぽい話かと思われた方、残念でした。
基本的に18禁SSは書く気ありません。でも壊れギャグは書くけど。(笑)
と言う訳で次回は外伝。このSS、祥子さまサイドのお話をお送りします。
思っているような話がちゃんと書けるといいんだけどなぁ