東山の森不動産・補償コンサルタント
平成H30年度共通試験解説講座
(出題傾向の分析・講評)
(令和元年5月から、毎週1問ずつ解説します)
(4月28日) 問39
(5月04日) 問44
(5月11日) 問29
(1)令和元年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(10月発売予定)
(2)平成30年度本試験問題(単年度版・共通科目)の解説(10月発売予定)
(3)平成30年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(発売中)
(4)CPD「e−ラーニングシステムの問題と解説」(発売中)
(※「第1回e試験-1」〜「第3回e試験-6」まで18回分の問題と解説)
平成30年度共通試験解説講座(出題傾向の分析・講評)
(令和元年5月から、毎週1問ずつ出題傾向の分析・講評を行います。)
※難易度については、以下のA・B・C・Dで示します。
A: 過去問等で出題されており、当然正解すべき問題
B: 過去問に未出又は既出ではあるが、難易度が高い問題(今後は、この種の問題も正解しないと合格は難しい)
C: 出題は新傾向であるが、今後も出題される可能性があり、内容をしっかり理解する必要がある問題(できれば、今後正解してほしい)
D: 出題が専門的すぎて、間違えてもやむを得ない問題(この分野については、あまり深入りする必要はない)
(4月28日)
問39C 譲渡所得の課税に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1(〇)A 譲渡所得とは資産の譲渡による所得をいい、棚卸資産その他営利を目的とする継続的な資産の譲渡による所得や山林の伐採譲渡による所得は含まない。※(公共用地取得の税務第3章2(1)・所得税法第33条第2項) H29-39-3・4、H27-41-4、H26-39-2、H20-41-1 類似過去問としては、棚卸資産に関し4回、山林所得所得に関し2回出題されている。税法とはいえ、本肢や肢の2のように過去問で2回以上出題された問題は判断しやすい。
2(〇)B 土地建物等の譲渡が、譲渡の日の属する年の1月1日においてその所有期間が5年を超えている場合は、「分離長期譲渡所得」として課税され、所得税額(地方税額)は以下の算式により計算される。課税長期譲渡所得金額 ×15%(地方税5%)※(公共用地取得の税務第3章3(2)イ) H29-39-2、H26-39-1 類似過去問としては、2回出題されており、本肢が「○」であることも判断しやすい。ただし、肢の4とも関係するが、長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い(所有期間と税率)については、今後も出題される可能性があり、しっかり押さえておくこと。
3(〇)C 個人がその居住の用に供している家屋又はその家屋とともに敷地を譲渡した場合において、その譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えており、一定の適用条件に該当するときは、長期譲渡所得に対する税率が軽減され、課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合の所得税額(地方税額)は以下の算式により計算される。課税長期譲渡所得金額 ×10%(地方税4%)※(公共用地取得の税務第3章3(2)ハ:居住用資産の譲渡の特例として、6,000万円までは軽減税率10%(地方税4%)が適用され、それを超える分は15%(地方税5%)が適用される) H24-39-1 類似過去問2回 居住用資産については、過去問として2回出題されているが、「居住用資産を譲渡した場合の特例」と「収用交換等の場合の5000万控除」との重複適用についての問題である。具体的税率についての出題は今回はじめてであり、難問であった。《参考》【H24-39-1】の解説のような計算は、実務ではよく問題となるので、押さえておくこと。
《参考》 【H24-39-1】 (×) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。以下「租特法」という。)第31条の3)と収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除の特例(租特法第33条の4)との重複適用はできない。※(重複適用できる。例:譲渡額が1億5,000万の場合、まず、5,000万が特別控除、残り1億のうち6,000万円までは、軽減税率10%(地方税4%)が適用され、残額4,000万は15%(地方税5%)が適用される) H22-39-1
4(×)C 譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が5年以下の土地建物等の譲渡による所得は、「分離短期譲渡所得」として課税され、その譲渡所得税率は30%(地方税9%)であるが、収用交換等による譲渡の場合は、すべて分離課税の短期譲渡所得に対する税率が軽減され、所得税額は以下の算式により計算される。課税短期譲渡所得金額 ×20%(地方税8%)※(15%(地方税5%)の誤り。なお、5000万円控除の適用もあることを押さえておくこと。:公共用地取得の税務第3章3(3)ロ) H29-39-1
類似過去問1回 短期譲渡所得の税率については今回はじめてであり、間違えてもやむを得ない。今後は、短期譲渡所得についても、所有期間と税率について覚えておくこと。
(5月4日)
問44B 共通仕様書に定める用地調査等業務の区分に関する以下のアからエの記述について、妥当なもの同士の組み合わせは、次の1から4のうちどれか。
本問は、受験生を悩ませた問題である。理由は、昨年改正された仕様書第9条(用地調査等業務の区分)の「果樹の定義」の部分が出題されているが、改正をフォローしていなかった受験生が多かったからである。そのため、エの肢も正しいと考えて、解答が肢「2」と「4」の2つとなり、迷って時間を費やしたあげく誤った受験生も多かった。出題者としては、下記《参考》に記述したように「物件」と「総合」でも出題しており、共通仕様書の改正については、受験生は仕事上当然押さえているものと考えているようである。今後の「発注仕様概説」の問題については、最新の「共通仕様書」を参照する必要がある。
ア(〇)A 木造建物〔T〕は、土台等の主要な構造部に木材を使用し、軸組工法により建築されている専用住宅等で主要な構造部の形状等が一般的な平家建又は2階建の建物をいう。※(共通仕様書第9条第2号表1) H25-44-1、H20-47-4 類似過去問2回 字句の省略等を素直に読めば正しいことは明らかである。
イ(×)B 生産設備とは、製品等の製造に直接的に係わっているものをいう。ただし、建物として取り扱うことが相当と認められるものを除く。※(生産設備とは、「製品等の製造に直接・間接的に係わっているもの又は営業を行う上で必要となる設備で次に例示するもの等をいう。・・・」と定義されている。「直接的」だけでは誤り。:共通仕様書第9条第3号表2) H26-43-2、H25-44-2 類似過去問2回 2回出題されているが、「直接・間接的」の部分はサラッと記述されているので、この部分について迷った受験生も少なからずいたようである
ウ(〇)B 風致木とは、名所又は旧跡の風致保存を目的として植栽されている立木又は風致を保たせるために植栽されている立木をいう。※(共通仕様書第9条第4号表3) 類似過去問なし 本肢について、共通仕様書を読み込んでいる受験生で、「風致を保たせるために」の記述の後に「敷地内に」の記述部分が抜けているから誤りとした人はいないとは思うが、そこまで考えて本肢を「×」とした人がいたとすれば、それはむしろあっぱれである。なお、この部分も昨年改正されているところである。従って、本肢は正解の肢である。
エ(×)B 収穫樹とは、りんご、みかん等の立木で果実等の収穫を目的としているものをいい、栽培方法の差異により園栽培と散在樹に区分される。※(H30年7月1日改正により、収穫樹に、果樹の外に、「茶・桑・こうぞう等の特用樹」の記述が加えられた。本肢は、その部分の記述が抜けているので「収穫樹」の定義としては誤り。:共通仕様書第9条第4号表3) 類似過去問なし 《参考》を参照
1(×)ア、イ 2(○)ア、ウ 3(×)イ、エ 4(×)ウ、エ
《参考》
平成30年度の専門科目「物件」の問題34で、下記のとおり「収穫樹」の問題が出題されており、「収穫樹」は「果樹」と「特用樹」に区分」されている。また、「総合補償」の問題41でも、「収穫樹の果樹」の用語説明がされている。本年度の出題者は、果樹と特用樹の区分を当然のこととして出題している。
【物件-H30-34】 立竹木調査算定要領(案)における立竹木の区分のうち、収穫樹の判断基準に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1(〇) 収穫樹の果樹とは、りんご、みかん等の立木で果実等の収穫を目的としているものをいい、栽培方法における園栽培とは、一団の区画内(果樹園等)において、集約的かつ計画的に肥培管理を行って栽培しているものをいう。
2(〇) 収穫樹の特用樹とは、茶、桑、こうぞ等のように、枝葉、樹皮の利用を目的とする樹木をいい、栽培の区分は、果樹の例による。
3(×) 収穫樹の竹林とは、孟宗竹、真竹等で筍の収穫を目的としている竹林をいう。※(竹林は 「収穫樹」ではなく、「竹林」に区分される。)
4(〇) 収穫樹の果樹とは、りんご、みかん等の立木で果実等の収穫を目的としているものをいい、栽培方法における散在樹とは、園栽培以外の収穫樹、例えば宅地内或いは田・畑の畦畔、原野及び林地等に散在するものをいう。
【総合-H30-41】 立竹木調査算定要領(案)(平成30年3月22日中央用地対策連絡協議会理事会申し合せ)による立竹木の調査、算定に関する以下の記述について、(A)から(D)に入る用語として妥当でないものは、次のうちどれか。
3(○) 収穫樹の果樹とは、りんご、みかん等の立木で果実等の収穫を目的としているものをいい、栽培方法の差異により(C)と散在樹に区分されている。 → (C)に入る用語は、「園栽培」である。
(5月11日)
問29B 公共補償基準第7条に規定する「土地代」に関する次の記述のうち、従前地の一部が起業地となり、合理的な移転先が構外となる場合において、妥当なものはどれか。 本問は、「公共補償基準要綱の解説」P59〜61の(例-2)を基に出題されている。このような場合、通常は出典の記述を正確に引用すればよかったのに、出題者の狙いなのか何なのかわからないが、若干書きぶりを変えて出題したために、多くの受験生がそれに惑わされた。特に肢1の「・・・であっても」の解釈を巡ってはいろいろ悩んだ受験生が多かった。また、「補償」と「補償額」の区別についても厳密にすべきだったのか否かについて出題者に問いたいところである。
1(〇)B 従前地より移転先の土地代が高額である場合であっても移転先の土地代が補償対象となり、原則として、残地の処分利益を控除する。※(公共補償基準要綱の解説(以下「解説」という。)P59〜61 (例-2)@ ) H20-30
2(×)B 従前地より移転先の土地代が低額であり、かつ、起業地部分の土地代が移転先の土地代に満たない場合、移転先の土地代の補償とする。※(「従前地に関する土地代等」の誤り。「等」の中に残地補償が含まれる。なお、補償額と移転先の土地代の差額は、従前地の残地の処分利益から充当することになる。:解説P59〜61 (例-2)A ) H27-29
3(×)B 従前地より移転先の土地代が低額であり、かつ、移転先の土地代が起業地部分の土地代以下である場合、起業地部分の土地代が補償額となる。※(「起業地部分の土地代等」(「等」により、残地補償が発生する場合の残地補償が含まれる。)又は「起業地の土地代及び残地補償」が正しい。いずれにせよ、本肢は「補償額」を問題としており、残地補償を含めた記述が必要である。:解説P59〜61 (例-2)B ) H22-30
4(×)B 従前地と移転先の土地代が同額である場合、移転先の土地代が補償額となる。※(「移転先の土地代から残地の処分利益を控除した額」が正しい。「同額の場合」は、移転先の土地代を補償することになる(運用申し合せ第6第4項「・・・満たない場合・・・起業地部分の土地代を補償・・・」の反対解釈)。但し、本肢は補償額を問題としており、原則として、残地の処分利益の控除についての記述が必要である。:解説P55〜56 )
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