東山の森不動産・補償コンサルタント

H30年度版過去問(10年分・共通科目)の分野別解説テキスト
『 Q&A 』

Q1
Q2
Q3
Q4
Q5
Q6
Q7
Q8
Q9
Q10
Q11
Q12
Q13





(1)令和元年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(10月発売予定)




(2)平成30年度令和元年度本試験問題(単年度版・共通科目)の解説(10月発売予定)



(3)平成30年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(発売中)




(4)CPD「e−ラーニングシステムの問題と解説」(発売中)


(※「第1回e試験-1」〜「第3回e試験-6」まで18回分の問題と解説)




平成30年度 過去問テキストの 『 Q&A 』


(※この欄は、テキスト購入者からの質問に答えるコーナーです。)


Q1  【H22-6-1】と【H20-9-4】の記述はほぼ同じなのに、前者は○で、後者は×になっている点が理解できません。



A   【H22-6-1】は、土地に対する補償金の額は、事業の認定の告示の時における相当な価格をもとに算定されると記述されており、この言葉の中には、「権利取得裁決時までの物価変動を考慮して」算定される場合を含んでおり、正解となる。
 他方【H20-9-4】の記述は、権利取得裁決時までの物価変動は考慮される余地がないので、誤りとなる。


Q2 (土地調書・物件調書の作成の特例)

テキストP40 【H24-9-3】の公告・縦覧期間について、事業認定の申請や裁決申請等についての公告・縦覧期間(2週間)と違って、なぜ本肢の解答は1ヶ月なのでしょうか。

A: 事業認定の申請や裁決申請等についての公告・縦覧の期間は2週間です。

これに対し、【H24-9-3】の公告・縦覧は、土地調書・物件調書の作成手続の特例の公告縦覧であり、事業認定の告示や裁決申請等の公告・縦覧とは種類が違います。本肢の公告・縦覧は、「補償金の見積額が1万円以下の権利者が100人を超えるときに、土地の所在する市町村長において、土地調書・物件調書を1箇月間公告縦覧することにより、土地調書・物件調書への署名押印手続に代えるためにする」ものです。(土地収用法第36条の2第3項)。

また、この特例の場合、【H24-9-4】の記述のとおり、「起業者は、土地収用法第36条の2の規定による一筆の土地が所在する市町村長の公告の日から1週間以内に、当該公告に係る調書に記載されている土地所有者等に対し、公告があった旨の通知を発しなければならない。」(土地収用法第36条の2第5項)とされています。


Q3: (家賃減収補償における補償期間について)

テキストP151【H28-21-4】では家賃減収補償の補償準備期間について1ヶ月、P190【H23-25-3】では2ヶ月となっており、両者の違いが分かりません。

A 【H28-21-4】は、「家賃減収補償における補償期間は、入居している借家人に対する補償を行う場合は、入退去の準備に要する期間として、原則として各1か月を加えることができる。」(細則第17−2第4項)と記述されており、補償期間としては、入居の準備で1か月、退去の準備で1か月の計2か月加えることになり、【H23-25-3】の2か月と同じ期間となります。


Q4:  (一般補償基準の「第4章 土地等の取得又は土地等の使用により通常生ずる損失の補償」と「第5章 土地等の取得又は土地等の使用に伴うその他の措置」の違い)

テキストP154 【H28-26-3】は妥当(○)、P180【H24-18-3】は妥当でない(×)となっています。【H24-18-3】が妥当でない(×)となっている意味が分かりません。

A  【H28-26-3】は、(一般補償基準) 第5章「土地等の取得又は土地等の使用に伴うその他の措置(60条〜62条)※(これは、土地等の権利者以外の第三者に対する補償である)」について記述している。

これに対し、【24-18】は「用対連基準に規定するその他通常生ずる損失の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。」と記述されており、これは、(一般補償基準) 第4章「土地等の取得又は土地等の使用により通常生ずる損失の補償(28条〜59条)の問題である※(これは、土地等の権利者に対する通損補償である)」。 しかるに、【H24-18-3】は第5章の補償(第三者に対する補償)に関する記述であり、第4章のの補償(権利者に対する通損補償)」に関する記述ではないので誤りとなる。


Q5: テキストP241【H28-50-2】  補償コンサルタント業における受注業務の進め方(業務の準備段階)に関する記述のうち、肢2「主任担当者は、地図や写真などから現地の状況を把握する。」が誤りとなっています。これについては、地図や写真などから現地の状況を把握するのではなくて、実際に現地踏査を行う必要がある点で誤っていることはわかりますが、「主任担当者」の記述も誤りでしょうか。

A:主任担当者の記述は誤りではありません。共通仕様書第14条によれば「受注者は、用地調査等業務の着手に先立ち、調査区域の現地踏査を行い、地域の状況、土地及び建物等の概況を把握するものとする。」と規定されていますので、受注者のみの義務のようにも見えますが、主任担当者は、受注者が契約した用地調査業務における現場の責任者として、契約に基づく受任者の一切の権限を行使できるのであり、主任担当者としても、当然現地踏査をして現地の状況を把握する必要があります。従って、主任担当者の記述として誤りはありません。本肢は「現地踏査」のところのみが誤りです。


Q6: テキストP90【H27-39-1】 補償金の支払い請求があった場合、どうして6か月を経過していても、5000万控除が認められるのですか。

A:本肢の補償金の支払い請求は、土地収用法第46条の2第1項の規定に基づく請求であり、この場合は起業者に対し土地収用法39条2項の裁決申請の請求(逆収用の請求)も合わせてしなければなりません(土地収用法第46条の2第2項)。すなわち、 本肢の請求は、単なる支払い請求ではなくて、土地収用法に基づく請求なのです。そのため、補償金の支払い請求の後には、裁決手続きが待っていますので、手続きは6か月以上かかります。しかし、土地所有者としては、起業者の買い取りの申し出後6か月以内に、補償金の支払い請求しているので、事業に協力する姿勢は示しているといえます。ただ6か月を過ぎてしまったのは、行政の手続きが遅れているだけなのです。従って、本肢の場合は、特例の適用(5000万控除)が受けられることになります。

土地収用法上の補償金の支払い請求逆収用の請求は、土地所有者としては事業に協力する意思はあるが、起業者との間で補償金について見解が違う場合です。土地所有者としては、事業に協力する意思はあるが、補償金の判定を土地収用委員会に適正にしてもらいたいと思っている場合に、上記請求がなされます。

5000円の控除を受けるためには、買い取り申し出から6か月以内に買収に応じなければなりません。税法上は、5000万控除は公共事業への協力に対する特典として認められるものです。ところが、当事者から土地収用法による補償金の支払い請求仲裁の申請又は農地の許可申請等がある場合は、それぞれ裁決手続き、仲裁手続き又は農地法の手続き等の行政機関の手続きが必要となり、6か月以上の期間がかかります。しかし、当事者としては事業に対し協力姿勢示しており、ただ行政の手続きが遅れているだけなのです。従って、当事者の協力姿勢を考慮して税法上の特典(5000万円控除)が認められているのです。


Q7: 共通試験対策基礎講座の【関連過去問】P テキストP91【H27-41-3】について、借家人補償のうち、本肢のような権利金対価補償になることはわかりましたが、従来の家賃と転居先の家賃との差額の補賞金はどうなりますか。

A:家賃差の補償金対価補償金として取り扱われます。


Q8: 消費税における@課税A非課税・B不課税の区別を教えてください。

A 消費税の課税の対象とする取引は、事業者事業として対価を得て行う資産譲渡、資産の貸付及び役務(サービス)の提供(以下「資産の譲渡等」という)である。


@課 税   国内で事業の対価を得て行う取引など(上記の資産の譲渡等)

        事業を行っている建物等所有者から建物・立木等取得する場合

A非課税  対価を得て行う取引などでも、課税対象になじまない取引や

         社会政策的な配慮から課税することが適当でない取引

         例)土地譲渡貸付住宅貸付、学校の授業料等、葬祭料等

B不課税  課税されない取引(上記の資産の譲渡等に当らないもの)

        ・事業を行っていない建物等所有者(個人)から建物・立木等を取得する場合

        ・建物・立木等の移転補償をする場合


※非課税と不課税の共通点 : 消費税がかからない

 非課税と不課税の相違点 : 非課税は資産の譲渡等に当たる

                   不課税は資産の譲渡等に当たらない


Q9: 土地収用手続き中の「権利取得裁決」と「明渡裁決」の違いを教えてください。

A: @権利取得裁決は、土地の収用(使用を含む)に伴う損失の補償及び土地の権利等の取得の時期を決定します。権利取得裁決には、法務局土地所有名義等を変更する効力があります。そのため、起業者は、裁決書と補償金を支払証明書を添付すれば、単独で所有権移転登記嘱託ができます。

 これによって、起業者は、土地に対する所有権等(使用権を含む)を取得しますが、Aの明渡裁決がなされない限り、被収用者は引続き収用地の占有を継続することができます。

A 明渡裁決は、収用(使用を含む)に係る土地を引渡し、支障物件の収去及びこれに伴う損失補償についてなされる裁決で、権利取得裁決以外の損失補償と土地等の明渡の期限を決定します。

 これによって、被収用者は、土地明渡義務が生じます。もし、相手方が明け渡さない場合は、起業者は県知事代執行を請求できます。

B @権利取得裁決とA明渡裁決がそろって、起業者は収用土地(使用を含む)を完全に支配して、公共事業の用に供することができます。なお、@とAは同時にされる場合(申請が同時)と別々にされる場合(申請が別々)があります。


Q10: 事業認定手続きの中の「手続保留制度」がよく理解できませんので教えてください。

A: 手続の保留とは、事業認定の告示があった場合に、これによって発生する各種の効果を、特殊なものを除いては一定期間停止しておくものである(法第31条)。

 事業認定は、その認定の告示1年以内に裁決申請をしないときは失効する(法第29条1項)。しかし、事業規模が大きく、数年にわたって用地買収が行われるような事業の場合、資金、人員配置等の関係から補償金の支払請求、裁決申請の請求に対応できない場合もある。そのため、このような場合に起業地の全部または一部について、手続保留する制度である。

手続保留制度については、試験対策上、以下の点に注意してください。

@手続保留の申立ては、事業認定申請同時に行う(法第32条)。また、事業認定と同時告示される(法第33条)。

A手続保留がされると、事業認定の告示効果のうち、土地の保全義務等一部のものを除き、@土地価格の固定、A新たな関係人の排除、B物件の付加増置等に対する損失補償の制限、C裁決申請の請求権、D補償金の支払請求権等の効果は発生しない。@〜Dの効果は、都道府県知事手続開始告示後に生じる。 参考【H29-8-3】


Q11: 【H21-41】が解説も含めて理解できませんので教えてください。

A: 本問は、対価補償の代替資産の課税の特例の問題です。本問の前提は、譲渡資産の取得費が100万円で、対価補償金は500万円となっています。これについて、代替資産の課税の特例を受ける場合としては、以下の@〜Bの場合が考えられます。

@対価補償金500万円で、同額の500万円の代替資産取得した場合

A対価補償金500万円に追金300万円を足して800万円代替資産取得した場合(本問の肢3.・肢4の問題)

B対価補償金500万円で、それより少ない400万円代替資産取得して、100万円の利益が出た場合(本問の肢1と肢2の問題)

以上@〜Bの場合の税法の取扱いについて、説明します。

@ 100万円で取得した資産を500万円で譲渡して、利益が400万円発生していますので、通常は譲渡税が地方税も合わせて20%の80万円[(500-100)×0.2=80万円]が発生します。しかし、これについては、同額の500万円の代替資産を取得していますので、今回は課税の特例を受けて、税は繰り延べとなり、譲渡税は0円です。将来譲渡するときに、今回の税金も含めて課税されます。その時の取得価額は、元の取得費100万円です。従って、具体的税金額は、以下のとおりです。

今回課税金額=0

次回課税金額={(次回の譲渡額)-(当初の取得費100万円)}×20%


A 100万円で取得した資産を500万円で譲渡して、追金300万円を足して、800万円の代替資産を取得しています。この場合も、@と同様400万円の利益が発生していますが、課税の特例を受けますので、譲渡税は繰り延べとなり0円です。将来譲渡するときには、今回の税金を含めて課税されますが、この場合は当初取得費100万円と今回追金300万円で、次回の取得価額は合わせて400万円[100+300=400万円]となります。従って、具体的税金額は、以下のとおりです。

今回課税金額=0

次回課税金額={(次回の譲渡額)-(当初の取得費100万円+今回の追金額)}×20%

B 100万円で取得した資産を500万円で譲渡して、400万円の代替資産を取得していますので、400万円分については課税の特例を受けますが、100万円分については現金で残りますので100万円の利益があり、譲渡税が発生しています。そして、ここからが重要なのですが、対価補償の500万円のうち、代替資産400万円分と利益100万円分に当初の取得額100万円分を按分する必要があるのです。この取得費按分が本問のポイントです。その結果、[代替資産400万円分に振り分ける取得費=100万円×400/500=80万円]、[利益100万円に振り分ける取得費=100万円×100/500=20万円]となります。従って、具体的税金額は、以下のとおりです。

今回の税金額={(今回の利益100万円)-(当初の取得費の按分額20万円)}×20%=16万円

次回の税金額={(次回の譲渡額)-(当初の取得費の按分額80万円)}×20%

(注)Bについては、今回利益が生じているので、これについて上記計算式のように、今回分の税金16万円が生じます。

   ここでのポイントは、今回と次回での課税の計算上、当初の取得費を今回分と繰越分に按分することです。なお、この按分は、計算上ものと割り切ってください。



Q12: 収用手続きの中の「協議の確認」について教えてください。


A: 土地収用法では、裁決手続ばかりでなく、紛争の事前予防の観点や裁決手続の内外で当事者による自主的な解決を進めるため、@あっせん、A仲裁、B協議の確認、C和解の4種類の制度があります。このうち、@ACは民事裁判でもあるので、なんとなくわかりますが、B協議の確認は、土地収用法に独特のものであり、イメージがしにくいと思います。しかし、これは、民事裁判の起訴前の和解と類似の制度で、内容的には和解と思ってください。以下解説します。

B協議の確認について

協議の確認は、事業認定裁決申請をするまでの間に、任意買収による協議成立した場合に、これに裁決同一の効力を与える制度です。起業者が権利者の同意を得て、収用委員会申請します。

※ 協議の確認書は、裁決と同一の効力を有する行政処分です。(自主的な解決制度のうち本件の協議の確認についてはなじみがなく、イメージが付きにくいと思いますが、簡単に言うと「裁決申請前和解」と思ってください。すなわち、Cの和解との違いは、申請する時期の違いだけです。効力は、裁決申請前のB協議の確認も、裁決申請後のC和解も裁決と同一の効力があります。)

@あっせん、A仲裁、C和解については、土地収用法基礎講座 (7 裁決以外の収用手続)を参照してください


Q13: 公共補償基準要綱第8条第1項の「既存公共施設等の機能廃止の時までの財産価値の減耗分」について説明してください。

A: 一言で言えば、これは既存公共施設等の「財産的価値の目減り分」又は「財産の価値の使用利益分」です。すなわち、建物・工作物等の財物については、通常その財産価値は使った分だけ減っていって、その耐用年数を過ぎれば、1〜2割の残存価値しかありません。そして、耐用年数終了時と同時に財物の交換の時期を迎えるのです。そのため、財物の所有者は、耐用年数終了時に、新施設に更新するために、資金を貯めていくのです。

 公共補償においても、機能補償とはいえ、被補償施設のそれまでの使用によって、被補償者は施設の使用利益を得てきたわけですから、その使用利益まで起業者が負担するのは過大補償になります。よって、公共補償のために廃止した施設の廃止までの使用利益は、被補償者である公共施設等の所有者に負担してもらおうとする考え方によります。従って、公共補償をする場合は、復成価格から施設の補償時点までの財産の使用利益分(又は財産価値の目減り分)である「財産価値の減耗分」を控除することになります。



※ 本講座は随時更新していますが、皆さんのパソコンではそれが直ぐには反映されない場合があるとの御質問がありました。その場合はパソコンのファンクションキーの「F5」を押してください。そうすれば最新のホームページに更新されるはずです。

 念のため、本講座を閲覧の際は、毎回「F5」のファンクションキーを押して更新してからご覧ください。