東山の森不動産・補償コンサルタント

平成H30年度
一般補償基準(基本論点)講座



H31.1.10  第1回
建物等の補償(その1)


H31.1.17  第2回
建物等の補償(その2)

H31.1.24  第3回
建物等の補償(その3)

H31.1.30  第4回
建物等の移転によるその他通損補償(動産移転料その他)

H31.2.11  第5回
家賃減収補償・借家人補償

H31.2.19  第6回
立木補償

H31.3.5  第7回
営業補償

H31.3.18  第8回
残地補償

























































































































































































































































































平成30年度 一般補償基準(基本論点)講座


 (測量士さんのための基礎講座)




 補償業務管理士試験(共通科目)の中で、一般補償基準の出題数は15問であり、合否を左右する重要な分野であるが、一般補償基準の中心を占める建物移転補償等(通損補償分野)について、実務経験が乏しい測量担当者にはなかなか敷居の高い分野である。


 しかし、共通試験の合格のためには、一般補償基準の習得は必要不可欠であり、この分野を落としては、合格は見えてこない。


 そのため、本講座は、建物調査等の実務経験がない測量士さんに、共通試験(過去問)の一般補償基準の基本問題を通して、建物等移転(通損補償)についての基本的な考え方を理解してもらうためのものである。



 一般補償基準の問題の学習のポイントは、当該問題が一般補償基準の「第何章・第何節」の問題であるかを理解することである。

 また過去問を学習をするのは、過去問を解いて出題の内容や出題方法等を実際に体験して、次年度の本番での問題の解法に役立てるためである。

 しかし、そもそも当該問題が補償基準のどこから出題されているかを理解していなければ、過去問の整理や出題傾向をつかむことはできない。

 さらに、過去問の整理ができていなくては、本番で記憶の再現も困難である。

 従って、本講座では、一般補償基準の基本論点について、下記の「一般補償基準の体系」の中で、基本的な過去問を通して説明する。




1 「一般補償基準の体系」について

第1章  総則(1条〜7条)  

第2章  土地等の取得に係る補償(8条〜23条)

  第1節  土地の取得に係る補償(8条〜10条)
   本節は土地の所有権取得する場合です。  



  第2節  土地に関する所有権以外の権利の消滅に係る補償(11条〜14条)
  本節は土地の所有権取得に伴い、借地権等を消滅させる場合です。
  事業者は、第1節の「所有権の取得」と本節の「権利の消滅」のセットによって、完全土地取得することになります。



  第3節  建物、土石砂れき、漁業権等の取得又は消滅に係る補償(15条〜23条)



第3章  土地等の使用に係る補償(24条〜27条)
 本章は、土地を期間的に一時使用する場合(工事用の借地として使用する場合)、又は土地を恒久的に使用するが、所有権までは取得する必要ない場合、例えば借地権区分地上権等を取得する場合です。本章の補償の場合は使用の対価として定期に賃料を支払う場合と、一時金(権利金)として土地代の何割かを支払う場合があります。



第4章  土地等の取得又は土地等の使用により常生ずる失の補償(28条〜59条)


  第1節  移転料等(28条〜37条)

第1回 建物等の補償(その1)


 公共事業にとって必要なものは建物等ではなく土地である。そのため、取得又は使用しようとする土地の上に建物等があるときは、これらに対する適正な移転料を補償し、移転させることを原則としている。移転工法には以下のものがある。

再築工法
 建物敷地以外の土地(構外)に、従前の建物と同種同等の建物を建築する工法
 これを構外再築工法という

 残地(構内)に従前の建物と同種同等の建物又は、従前の建物に照応する建物を建築する工法 これを構内再築工法という。

曳家工法
 残地があり、有形的・技術的に可能で、かつ機能的・法制的にも支障とならない場合に採用される工法で、建物を近距離に曳いて(引っぱって)移動させる工法

改造工法
 建物の一部を切り取り、残地内で残存部分を一部改築または増築し、従前の機能を継続する工法

復元工法
 文化財保護法等で指定された歴史的文化的価値のある建物で、国民共有の資産であることか、解体処分をせず、原型で復元(解体材を使用)する工法

除却工法
 建物を移転するだけの経済的価値のないもの、又は価値はあるが再築する必要のない建物について、撤去する工法

《関連過去問》  【29-18-2】 ・【H20-19-2】



第 2回 建物等の補償(その2)

建物移転補償の応用問題としては、関連連移転の問題、法令改善の問題、運用益損失の問題及び照応建物の問題が頻出である。

《関連過去問》 
【H29-18-1】関連移転の問題
【H29-19-1】法令改善費の問題
【H29-19-4】運用益損失の問題
【H28-19-2】照応建物の問題
【H28-19-4】利用環境面の考慮の問題


第 3回 建物等の補償(その3)

工作物の補償は、門、塀等構築物や、機械設備などの移転に要する補償である。

《関連過去問》 【H27-26-1】・【H27-26-2】・【H27-26-3】・【H27-26-4】


第 4回 建物等の移転によるその他通損補償(動産移転料その他)

 建物等の移転によるその他通損補償

@動産移転料
家財道具など建物内外にある動産の運搬に要する費用である

《関連過去問》 【H28-20-1】・【H28-20-2】・【H26-22-2】・【H28-20-3】・【H28-20-4】・【H26-22-4】


A仮住居の使用に要する費用 

《関連過去問》 【26-20-4】


B移転雑費
建築確認申請など法令上の手続きに要する費用やその他移転に係る費用です。

《関連過去問》 【28-22-1】・【H26-25-1】・【H26-25-2】・【H26-25-3】・【28-22-4】



第 5回 家賃減収補償・借家人補償

 @ 家賃減収補償(基準第33条)
 賃貸人が建物(貸家)を移転する場合、当該建物(貸家)の移転により、移転期間中賃貸料(家賃)を得ることができなくなるので、移転期間中の賃貸料相当額補償する。

《関連過去問》 【H28-21-3】・【H28-21-4】・【H29-20-3】


 A 家賃欠収補償
 貸家の中でもアパート等のように賃借人多数いる場合には、これらの賃借人を同一の時期に一度移転させることは困難であり、逐次借家人を移転させることになる。そのため、賃貸人の建物移転補償契約締結以前に借家人がバラバラ移転することになり、賃貸人は移転した賃借人の家賃を得ることができない場合が生じるので、相当と認められる期間(通常、6か月が上限)について家賃欠収補償として、家賃減収補償加えて補償できる
※家賃欠収補償は、過去の出題実績はありませんが、意味くらいは覚えておいてください。


 B 借家人補償
 建物を現に賃借している者がある場合において、移転に伴い賃借りを継続することが困難であると認められるときに、その者が他の建物を賃借りするのに必要とする権利金等の一時金及び従前家賃との新規家賃との家賃差合計額補償する。

《関連過去問》
【H24-16-2】・【H28-21-1】・【H28-21-2】・【H24-16-3】・【H24-16-4】



  第2節  立木補償(38条〜42条の2)

第 6回 立木補償

 立竹木の補償額を算定するには、当該立竹木を@移植させる補償、A伐採させる方法及びB取得する方法がある。通常一般的には、庭木類については、移植による方法、用材林については、伐採による方法が採用される。また、立木を取得する方法は、公園事業等で当該立竹木を必要とする場合に採用される。

@ (庭木等の補償) 

《関連過去問》
【H26-21-1】【H26-21-2】・【H26-21-3】・【H26-21-4】・【H27-21-3】・【H27-21-4】


A (用材等の補償)

《関連過去問》
【H27-21-1】・【H27-21-2】・【H29-21-2】・【H29-21-4】


B (立木の取得補償)

《関連過去問》
【H21-26-1】・【H28-17-1】・【H28-17-2】・【H28-17-3】・【H28-17-4】



  第3節  営業補償(43条〜45条)

第 7回 営業補償

 営業補償とは、公共事業に必要な土地等の取得又は土地等の使用に伴い通常生じる営業上の損失を補償するものである。営業補償に関する基準は、@営業廃止の補償、A営業休止の補償及びB営業規模縮小の補償の3つある。

@ 営業廃止補償

《関連過去問》
【H29-23-1】(〇) 「通常営業の継続不能となる場合」とは、営業場所法令上物理的条件又は社会的条件により限定又は制限される場合特定地に密着した有名店の場合又は生活共同体の住民を専らの顧客としていた店舗等であって移転先での顧客の確保が特に困難と認められる場合において、社会通念上妥当移転先がない場合をいう。※(営業廃止の補償:細則第26) H23-22-2、H22-19-3、H22-25-1

【H22-19-3】(×) 公共事業のため土地等を取得され、営業所を移転せざるを得ないこととなった場合、その人の都合や主観的な考えで営業を廃止することとなれば、営業廃止の補償を行うこととなる※(営業廃止の補償は、客観的にみて営業を継続するのに妥当な移転先ないと判断された場合である。主観的事情等は認められない。:EX、観光場所土産物屋駅前自転車預かり所)  H29-23-1、H23-22-2、H22-25-1・4

【H26-23-1】(×) 営業廃止補償の対象となるものは、取引の慣行のある営業の権利、資本及び労働に関する損失並びに転業期間中における得意先喪失による損失である。※(従前収益相当額である。: 基準第43条。営業廃止では、従来の得意先がなくなるのは当然で、得意先喪失の補償はない。得意先喪失による補償は、休止補償で、休業後得意先が従来どおりに回復するまでの補償である。) H24-17-4、H24-22-3


A 営業休止補償

《関連過去問》
【H24-22】 一般補償基準に関する営業休止等の補償の項目に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。  H28-24-1、H27-22-4、H26-23-2

1.(○) 通常休業を必要とする期間中営業用資産に対する公租公課等の固定的な経費及び従業員に対する休業手当相当額

2.(○)通常休業を必要とする期間中収益減(個人営業の場合においては、所得減

3.(×) 休業することにより、又は店舗等の位置を変更することにより、顧客の趣向が異なることによって生ずる商品の売却損相当額 ※(顧客の趣向の変化による補償はない。通常は、休業や移転によって、従来の得意先を失うことが予想されるため、売上高の減少に伴う損失(得意先喪失)を補償する。)  H28-24-4、H26-23-1、H22-19-2 

4.(○) 店舗等の移転の際における商品、仕掛品等の減損、移転広告費その他店舗等の移転に伴い通常生ずる損失額 H29-23-4


【H29-23-2】(×) 営業休止の補償において、病院、銀行等公益性の強い事業の営業活動を休止させておくことは社会的にみて妥当でないので、このような場合に限り仮営業所の設置が認められる。※(仮営業所の設置が認められるのは、@本肢のような場合の外、A仮営業所を設置するのに適当な場所が存すると見込まれ、かつ仮営業所設置による補償額が通常の営業補償による補償額以下である場合及びB急施を要する工事のため、仮移転をさせる必要がある場合も考えられる。よって、@に限られるわけではない。:細則第27第2項(一)、基準要綱の解説P157、註解8)) H28-24-2、H26-23-3、H22-19-1

【H29-23-3】(〇) 営業休止の補償において、通常休業を必要とする期間中の収益減の補償は、休業期間中に当該営業所により得られる予想収益相当額を補償することを要するが、セールスマン等により営業の一部継続できる場合には、それによる予想収益相当額を控除しなければならない。※(細則第27第1項(四)、基準要綱の解説P156、註解5)) H27-22-4、H26-23-2

【H29-23-4】(〇) 営業休止の補償において、その他店舗等の移転に伴い通常生ずる損失には、営業上の移転挨拶費及び営業所の移転に伴う登記届出等手数料等がある。※(細則第27第1項(二)七、基準要綱の解説P157、註解7)) H24-22-4


B 営業規模縮小補償

【H26-23-4】(○) 営業規模縮小の補償において、通常営業の規模を縮小しなければならないときとは、営業用建物を改造工法により、その規模を縮小して残地に存置する場合又はその規模を縮小して構内移転をする場合である。※(細則第28第1項:営業規模縮小補償は、残地に構内移転する場合である。構外移転では今の営業規模にあった代替地を探せばよく、規模縮小は考えなくてもよい。) H22-19-4


  第4節  農業補償(46条〜49条)
             (本節は共通問題では出題されたことはありません。


  第5節  漁業権の消滅又は制限により通常生ずる損失の補償(50条〜52条)(本節は共通問題では出題されたことはありません。)


  第6節  残地に関する損失の補償(53条〜54条の2)

第 8回 残地補償

 残地補償とは、残地に関して、価格の低下利用価値の減少があった場合にする補償である。すなわち、公共事業により一筆の土地又は同一の所有者が持つ一団の土地の一部が買収されることによって、残地の面積が狭小となったり、形状が不正形になったり、あるいは道路面との高低差が生じて隣接地との接続関係の悪化によって残地の利用方法が不便となる等による損失である。

 その結果、残地に価値の低下や利用価値の減少又は残地所有者が負担することとなる残地の工事費、管理費等の増大を余儀なくされることから、これらの損失に対して補償するものである。これらの損失に対して、以下の@〜Bのような補償を実施することになる。(これらも通損補償である)


@ 残地の価値の低下をもたらすケース

《関連過去問》

【H29-24-4】(〇) 残地補償における、価格の低下又は利用価値の減少は、主に面積が過小又は不整形となる場合に生ずる。※(基準第53条、基準要綱の解説P173、註解3)(ハ)) H27-23-1、H24-26-1、H22-20-1

【H26-13-1】(○) 建物移転工法において構内再築工法認定した場合、残地を処分する必要がないので、残地補償における売却損についての補償できない※(細則第36・1(三)) H29-24-2、H28-25-4、H27-23-2、H24-26-4

【H26-13-4】(○) 残地等に関する損失の補償における売却損率は、移転雑費補償における従来の利用目的に供するために必要と認められる代替の土地等を取得するため当該土地早急に売却する必要がある場合には考慮する必要がある。※(細則第36・1(三)) H29-24-2、H28-25-4、H27-23-2、H24-26-4

【H28問25-3】(○) 建物等の敷地として残地が合理的な移転先とはならず、かつ、周囲の土地の状況等からこれを従前の利用目的に供することができないと認められる場合、取得に係る画地の評価格に残地の面積を乗じて得た額を限度として、当該残地を他の利用目的転換するために要する費用及び転換することにより生ずる価格の低下相当する額補償することができる。※(細則第36第1項(四)一) H26-24-4、H21-23-1、H20-25-1・4

【H26-24-2】(○) 残地に関して生ずる損失の補償額は、次式により算定する。{取得に係る当該画地の評価格−当該残地の評価格×(1−売却損率)}×当該残地の面積※(細則第36第1項(一)) H24-26-3、H22-26-4

【H26-24-3】(×) 借地権等の残権利については、取得に係る画地が宅地のときであっても補償することができない※(残借地権補償は、宅地のとき補償される。細則第36第2項)

【H26-24-4】(○) 農地地域内の田で、残地の水利が不良となることにより、田に供することが著しく困難になると認められる場合は、当該残地を相当と認める他の利用目的に転換するために通常要する費用及び当該利用目的に転換することにより生ずる価格低下に相当する額を、取得に係る画地の評価格に残地の面積を乗じて得た額を限度に補償することができる。※(細則第36 第1項(四)二。地目差補償。But、残地をまるごと買うより高くはできない。それが補償の限度である。) H28-25-3、H21-23-1、H20-25-1・4


A 残地に対して工事が必要となるケース

《関連過去問》

【H22-20-2】(×)  取得された土地と残地との間に高低差が生じたことにより、残地等に関する工事費の補償を行うこととなった。更に事業の用に供されることにより新たに日陰の損失(事業損失)も生じたので、この損失も残地等の補償に当たり考慮する必要がある。※(残地補償については、本肢のような日陰等の事業損失は補償しないものとされている。但し、損失が社会生活受忍限度超え、別途損害賠償の請求が認められることが明らかな場合は、事業損失として、事前賠償が認められることがある。) H29-24-1、H28-25-2、H27-23-3、H26-24-1、H24-26-2


B 残地を買収地と合わせて買い取る必要のあるケース

《関連過去問》

【H28問25-1】(○) 残地を取得する場合の当該残地の価格の算定は、残地と事業用地を併せて一団の土地として評価する。※(基準第54条の2第4項) H27-23-4
【H22-20-3】(○)  土地の一部が取得されることにより残地に損失が生じた場合は、残地等に関する損失の補償、残地等に関する工事費の補償、更に残地の取得補償が考えられる。※(残地取得できる場合とは、@従来の利用著しく困難になると認められるときで、かつA土地所有者の生活再建上支障となると認められるときである。)  H27-23-4、H23-14-3、H23-27-2、H22-25-3、H21-23-3、H20-22-4.、H20-25-3



  第7節  その他通常生ずる損失の補償(55条〜59条)



第5章  土地等の取得又は土地等の使用に伴うその他の措置(60条〜62条)
 本章の補償は第三者に対する補償(隣接者補償・少数残存者補償・離職者補償)です。



第6章事業の認定を受けた起業地に係る補償(63条)
 本章の補償は、事業認定事案の補償です。





(注意)一般補償基準の関連過去問は、10月から掲載します。

当日掲載の問題以外はテキストのページと出題年度・出題番号を掲載しますので、該当ページの該当問題を参照してください。


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