東山の森不動産・補償コンサルタント

令和元年度
一般補償基準(基本論点)講座



5月19日 【参考】
(H22-問13)


5月25日 (H30-問12)


6月02日 (H27-問13)


6月09日 (H28-問13)


6月25日 (H29-問14)


6月30日 (H30-問15)


7月09日 (H30-問17)



(1)令和元年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(10月発売予定)



(2)平成30年度本試験問題(単年度版・共通科目)の解説(10月発売予定)


(3)平成30年度版過去問(10年分・共通科目)分野別解説テキスト(発売中)



(4)CPD「e−ラーニングシステムの問題と解説」(発売中)


(※「第1回e試験-1」〜「第3回e試験-6」まで18回分の問題と解説)



令和元年度 一般補償基準(基本論点)講座


 (測量士さんのための基礎講座:)




 補償業務管理士試験(共通科目)の中で、一般補償基準の出題数は15問であり、合否を左右する重要な分野であるが、一般補償基準の中心を占める建物移転補償等(通損補償分野)について、実務経験が乏しい測量担当者にはなかなか敷居の高い分野である。


 しかし、共通試験の合格のためには、一般補償基準の習得は必要不可欠であり、この分野を落としては、合格は見えてこない。


 そのため、本講座は、建物調査等の実務経験がない測量士さんに、共通試験(過去問)の一般補償基準の基本問題を通して、建物等移転(通損補償)についての基本的な考え方を理解してもらうためのものである。




1 「一般補償基準の体系」について

一般補償基準については、「一般補償基準要綱」・「用対連基準」・「各公共事業施行者の基準」・「収用裁決の場合の基準」の4種類あり、その違いを理解してください。そのために、【参考】【H22-問13】をしっかり押さえてください。

(5月19日)
【参考】
【H22 問13】 「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年6月29日閣議決定。以下「一般補償基準要綱」という。)、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」(昭和37年10月12日用地対策連絡会決定。以下「用対連基準」という。)、「各公共事業施行者の一般補償基準」に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。     

1.(○)一般補償基準要綱は、各省庁、政府関係機関、地方公共団体その他の公益事業者等が、その行う収用適格事業に必要な土地等を取得又は使用するに際して、損失を補償する際のよるべき基準大綱として閣議決定されたものである。

2.(○)土地収用法第88条の2の細目等を定める政令(平成14年政令第248号)は、従前、一般補償基準要綱が起業者の用地取得の際の基準であるとともに、収用委員会の損失の補償に関する裁決の基準ともなっていたが、平成13年の同法の改正により、収用委員会の損失の補償に関する裁決の基準として定められたものである。※(政令の規定の内容は、一般補償基準の内容と基本的に同じである。)

3.(×)用対連基準は、一般補償基準要綱趣旨受け用対連自らが定めたものであることから、用対連の構成員である各公共事業施行者がこれを遵守するよう求められている。※(各公共事業者において定めるべき補償基準の標準となるものにすぎない。各省庁をはじめ公共事業者は、肢の4のように、一般補償基準要綱ないし用対連基準に準拠して独自の損失補償基準を定めている。)

4.(○)各省庁及び各公共事業施行者定めている一般補償基準は、任意取得における補償額の算定に当たって、各公共事業施行者が遵守しなければいけない内規であり、土地所有者又は関係人直接拘束するものではない

《類似過去問》 H30-5



第1章  総則(1条〜7条)

(5月25日)【H30 問12】
(6月02日)【H27 問13】
(6月09日)【H28 問13】

第2章  土地等の取得に係る補償(8条〜23条)

  第1節  土地の取得に係る補償(8条〜10条)
   本節は土地の所有権取得する場合です。  

(6月25日)【H29 問14】


  第2節  土地に関する所有権以外の権利の消滅に係る補償(11条〜14条)
  本節は土地の所有権取得に伴い、借地権等を消滅させる場合です。
  事業者は、第1節の「所有権の取得」と本節の「権利の消滅」のセットによって、完全土地取得することになります。

(6月30日)
【H30-15-1】(×) 土地に関する所有権以外権利消滅させる場合には、当該権利の正常な取引価格をもって補償するが、当該権利が一般的に譲渡性のないときは、補償を要しない※(補償は必要。「土地の正常な取引における当該権利の有無による土地の価格の差額をもって補償する」:基準第11条第1項) H26-16-3

【H30-15-2】(×) 地上権等の権利は、原則として登記をしなければ第三者に対抗し得ないため、当該権利が無登記の場合には補償することができない※(無登記の場合も補償できる。登記対抗要件。起業者は真実の権利者補償する。そのため、地上権者が立証し、起業者がそれを認定すれば補償できる。実務では、所有権者から証明書(上申書・承諾書)をもらう。それにより、地上権の価値分だけ所有権の補償は減ることになる。要綱の解説P-74、要綱第10条の註解1)(ロ)) H29-16-2、H26-16-2

【H30-15-4】(〇) 占有権に対しては、長期間権限なく占有を続けていたものに対しても補償行わない※(基準第14条) H29-16-3、H26-16-1、H25-18-3、H24-24-2、H23-16-4、H23-19-1、H21-15-1、H20-18-3


  第3節  建物、土石砂れき、漁業権等の取得又は消滅に係る補償(15条〜23条)

【H30-15-3】(×) 土地に露出又は埋蔵される鉱物は、鉱業法(昭和25年法律第289号)の規定により鉱業権の対象とされ、土地所有権に含まれることから、土地の正常な取引における当該鉱業権の有無による土地の価格の差額をもって補償する※(鉱業権等の権利は、土地所有権とは別個の権利であり、正常な取引価格をもって補償する。なお、取引事例がない場合には、収益性等に着目して補償額を算定することになる。実務では、かなり高額な補償となっている。:基準第21条) H27-13-2


第3章  土地等の使用に係る補償(24条〜27条)

 本章は、土地を期間的に一時使用する場合(工事用の借地として使用する場合)、又は土地を恒久的に使用するが、所有権までは取得する必要ない場合、例えば借地権区分地上権等を取得する場合です。本章の補償の場合は使用の対価として定期に賃料を支払う場合と、一時金(権利金)として土地代の何割かを支払う場合があります。

(7月09日)
【H30-17】 土地等の使用に係る補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1(〇) 使用する土地空間又は地下のみ使用する場合における当該土地を除く。)に対しては、正常地代又は借賃をもって補償するが、この正常な地代又は借賃とは、土地の正常な取引価格に相応する概念である。※(基準第24条第1項、要綱の解説P-105、要綱第19条の註解2)) H29-17-2

2(×) 特別高圧送電線路設置する等地表及び地下の利用を伴わない場合、送電線下の土地については権利の設定は何らされていない※(地役権賃借権設定されている例 が多い。:基準第25条、要綱の解説P-74、要綱第20条の註解1)(ィ)) H20-41-4

3(×) 土地を使用する場合において、土地の使用が3年以上にわたるときは、土地所有者から土地の取得を請求されなくても、当該土地を取得しなければならない。※(土地を取得しなければならない場合は限られている。すなわち、取得請求あり、@土地の使用3年以上、またはA土地所有者の自家自用建物で、仮住居等又は使用終了後その場での生活等困難な事情があり、かつ@Aのいずれかの条件に加えて、やむを得ないものであると認められるときに、当該土地を取得できるのである。:基準25条の2第1項) H29-17-4、H28-18、H23-20、H23-27-4、H22-27-2、H21-17-2、H20-27-2

4(×) 使用する土地等を返還する場合において、原状に回復することが困難で、返還時の現状のまま引き渡すときは、当該土地等の価格を補償する。※(当該土地等の「形質変更改造等によって生ずる損失適正算定した額」を補償する:基準第58条第2項)


第4章  土地等の取得又は土地等の使用により常生ずる失の補償(28条〜59条)


  第1節  移転料等(28条〜37条)

公共事業にとって必要なものは建物等ではなく土地である。そのため、取得又は使用しようとする土地の上に建物等があるときは、これらに対する適正な移転料を補償し、移転させることを原則としている。移転工法には以下のものがある。

再築工法
 建物敷地以外の土地(構外)に、従前の建物と同種同等の建物を建築する工法
 これを構外再築工法という

 残地(構内)に従前の建物と同種同等の建物又は、従前の建物に照応する建物を建築する工法 これを構内再築工法という。

曳家工法
 残地があり、有形的・技術的に可能で、かつ機能的・法制的にも支障とならない場合に採用される工法で、建物を近距離に曳いて(引っぱって)移動させる工法

改造工法
 建物の一部を切り取り、残地内で残存部分を一部改築または増築し、従前の機能を継続する工法

復元工法
 文化財保護法等で指定された歴史的文化的価値のある建物で、国民共有の資産であることか、解体処分をせず、原型で復元(解体材を使用)する工法

除却工法
 建物を移転するだけの経済的価値のないもの、又は価値はあるが再築する必要のない建物について、撤去する工法


・ 建物移転補償の応用問題としては、関連連移転の問題、法令改善の問題、運用益損失の問題及び照応建物の問題が頻出である。


工作物の補償は、門、塀等構築物や、機械設備などの移転に要する補償である。


 建物等の移転によるその他通損補償

@動産移転料
家財道具など建物内外にある動産の運搬に要する費用である


A仮住居の使用に要する費用 


B移転雑費
建築確認申請など法令上の手続きに要する費用やその他移転に係る費用です。



・家賃減収補償・借家人補償

 @ 家賃減収補償(基準第33条)
 賃貸人が建物(貸家)を移転する場合、当該建物(貸家)の移転により、移転期間中賃貸料(家賃)を得ることができなくなるので、移転期間中の賃貸料相当額補償する。


 A 家賃欠収補償
 貸家の中でもアパート等のように賃借人多数いる場合には、これらの賃借人を同一の時期に一度移転させることは困難であり、逐次借家人を移転させることになる。そのため、賃貸人の建物移転補償契約締結以前に借家人がバラバラ移転することになり、賃貸人は移転した賃借人の家賃を得ることができない場合が生じるので、相当と認められる期間(通常、6か月が上限)について家賃欠収補償として、家賃減収補償加えて補償できる
※家賃欠収補償は、過去の出題実績はありませんが、意味くらいは覚えておいてください。


 B 借家人補償
 建物を現に賃借している者がある場合において、移転に伴い賃借りを継続することが困難であると認められるときに、その者が他の建物を賃借りするのに必要とする権利金等の一時金及び従前家賃との新規家賃との家賃差合計額補償する。



  第2節  立木補償(38条〜42条の2)

 立竹木の補償額を算定するには、当該立竹木を@移植させる補償、A伐採させる方法及びB取得する方法がある。通常一般的には、庭木類については、移植による方法、用材林については、伐採による方法が採用される。また、立木を取得する方法は、公園事業等で当該立竹木を必要とする場合に採用される。

@ (庭木等の補償) 


A (用材等の補償)


B (立木の取得補償)



  第3節  営業補償(43条〜45条)

 営業補償とは、公共事業に必要な土地等の取得又は土地等の使用に伴い通常生じる営業上の損失を補償するものである。営業補償に関する基準は、@営業廃止の補償、A営業休止の補償及びB営業規模縮小の補償の3つある。

@ 営業廃止補償


A 営業休止補償


B 営業規模縮小補償



  第4節  農業補償(46条〜49条)
             (本節は共通問題では出題されたことはありません。


  第5節  漁業権の消滅又は制限により通常生ずる損失の補償(50条〜52条)(本節は共通問題では出題されたことはありません。)


  第6節  残地に関する損失の補償(53条〜54条の2)

 残地補償とは、残地に関して、価格の低下利用価値の減少があった場合にする補償である。すなわち、公共事業により一筆の土地又は同一の所有者が持つ一団の土地の一部が買収されることによって、残地の面積が狭小となったり、形状が不正形になったり、あるいは道路面との高低差が生じて隣接地との接続関係の悪化によって残地の利用方法が不便となる等による損失である。

 その結果、残地に価値の低下や利用価値の減少又は残地所有者が負担することとなる残地の工事費、管理費等の増大を余儀なくされることから、これらの損失に対して補償するものである。これらの損失に対して、以下の@〜Bのような補償を実施することになる。(これらも通損補償である)


@ 残地の価値の低下をもたらすケース


A 残地に対して工事が必要となるケース


B 残地を買収地と合わせて買い取る必要のあるケース



  第7節  その他通常生ずる損失の補償(55条〜59条)

 土地の取得又は使用による「その他通常生ずる損失補償」  
 
@ 立毛補償


A 養殖物補償


B特産物補償


C 土地等の返還に伴う補償


D 造成費用の補償 


第5章  土地等の取得又は土地等の使用に伴うその他の措置(60条〜62条)
 本章の補償は第三者に対する補償(隣接者補償・少数残存者補償・離職者補償)です


第6章 事業の認定を受けた起業地に係る補償(63条)
 本章の補償は、事業認定を受けた任意契約事案の補償の規定です




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