東山の森不動産・補償コンサルタント


マンション管理講座

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1 成年後見制度について)


2 民法(債権法)改正によるマンション管理への影響について


3 民法(相続法)改正について


4 民法(成年年齢関係)改正について



5 民法改正(配偶者居住権)につい


6 マンションの管理 1(管理費等滞納に係る法的手続きについて)


7 マンションの管理 2(内容証明郵便の作成方法)


8 マンションの管理 3(管理費等の滞納に係る取立ての手続について)


9 マンションの管理 4(管理費等の滞納の場合の「内容証明郵便」の作成方法)


10 マンションの管理 5 マンションの火災保険(共用部分と専有部分の保険について)


11 マンションの管理 6≪団地総会と棟総会の違いについて≫


12 マンションの管理 7(管理計画認定制度について)



11 マンションの管理 6

(団地総会と棟総会の違いについて)

(本講座については、東山の森不動産・補償コンサルタント-YouTubeでも扱っていますので、一度ご覧ください。)


(Q10) 国土交通省が公表しているマンション標準管理規約(団地型)によれば、団地型のマンション管理組合の総会として、団地総会棟総会の規定がありますが 、これらの違いは何ですか?


(A) 標準管理規約(団地型)によれば、複数のマンションが一つの団地(団体)を構成している場合、その総会のとして、団地総会棟総会の両者が規定されています。

 団地総会は、団地の区分所有者全員で構成し、団地全体の共用部分(棟の敷地以外の道路や公園等)の管理と団地全体で協議すべき事案についての決議を行います。他方、棟総会各棟それぞれの区分所有者で構成し、そのの共用部分の管理に関する決議を行います。

 そもそも区分所有法の建前としては、団地においては、団地全体管理組合の外、棟ごとにもそれぞれの区分所有者の団体(管理組合)が成立するということです(区分所有法第3条)。

 ただ、小規模の棟で構成されている団地では、棟ごとに理事会を設け、集会を開くことは実際上困難です。またこれは、中規模の棟で構成されている団地についても同様です。
 
 そこで区分所有法は,規約により各棟の共用部分の管理についても、団地管理組合によって行うことを可能にしています(区分所有法第68条)。この規約を定めるには、団地全体の総会の決議の外、各棟決議(特別決議)が必要です。

 これを受けて標準管理規約団地型)では,団地内の全て区分所有建物を管理の対象として、団地管理組合一元的管理するものとされています。そこでは、棟総会を定期的に開催することは予定されていません。棟総会の開催を必要とする事由については、区分所有法団地総会によって決定することを認めていない事項(例えば、義務違反者に対する区分所有法57条〜60条の訴訟の提起復旧建替え等)に限定しています。

 従って、標準管理規約(団地型)に準拠した管理規約を定めている場合、棟総会は、通常毎年は開催されません。上記の棟総会で決める必要がある事項が生じた都度、臨時棟総会が開かれることになります。

 なお、標準管理規約(団地型)は、平成9年策定され、平成16年に改定されましたが、管理規約がいまだ単棟型になっている管理組合は多いようです特に旧公団型規約が適用されている団地管理組合においては、通常、棟総会の規定が存在しませんので、今後団地管理規約を改正して「棟総会」の規定を付加する必要があります
 
 ただ、現行規約に棟総会の規定がない団地においても棟総会の上記の専権事項決議のためには、区分所有法適用によって、棟総会開催可能ですので、問題がないとも言えます。ただし、将来的には、組合員に棟総会の存在を理解してもらうために、棟総会の規定を規約上明文化する必要があると思います。